2008年04月12日
はじめてのShade教室~第11回~ スカルプとShade
スカルプとShade
今回を含めあと2回となりましたShade教室です。
いよいよ次回から実際にSLにアップしていきますが、
その前に、今回はスカルプの概要とShadeから出力されるスカルプについて解説したいと思います。
このシリーズを読んだ人の中で、もうすでに自分で作ったシェイプをSLにアップして
「使えねぇorz...」
なんて感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
はっきり言います。
Shadeから出力されるスカルプは、<そのままでは>使い物になる代物ではありません。
ただし、作成上のルールや、ちょっとした工夫によって、十分商品として対応しうるスカルプを作ることが出来ます。
Shadeでスカルプを作成する際、認識しておかなければならないことは以下の3点です。
1.エッジをきかせたシェイプの出力は苦手。
作成するなら、エッジをそれほど意識しないシェイプにすること。
2.スカルプの性質上、作成上にルールがある。
3.そのままでは思った形にならない場合が多い。
出力されたスカルプテクスチャに対し、若干の修正が必要。
一つ一つ、解説していきましょう。
1.エッジのきいたシェイプについて。
エッジのきいたシェイプとは角がはっきりしたもののことをいいます。
こういったシェイプのスカルプ出力は、Shadeは苦手です。
これはもう、残念なことにShadeのバージョンアップに期待するしかありません。
ひとつ、対応策があるとすれば、アンカーポイントを増やすことぐらいでしょうか。
エッジを立てたい箇所のまわりにアンカーポイントを追加してやります。
このあたりの増やし方は、実際にアップしながら確認するしかありません。
2.作成上のルール
スカルププリムはもともとの形は球体をしています。
実はこのことが大変重要なのです。
第1回の教室で、私はshadeのシェイプを地球儀になぞらえて説明しました。
最初の頃はおそらく皆さん「?????」だったでしょう。

図を見てください。
Shadeで作った球体です。
ここまでShade教室を読んできた皆さんならどこが「開いた線形状」でどこが「閉じた線形状」なのか、おわかりいただけるのではないでしょうか。


「開いた線形状」は上下に走る円弧、「閉じた線形状」は球体を輪切りにした円ですよね?
「閉じた線形状」は上に行くに従い円の大きさを小さくしていき、やがては頂点で「一点に収束」します。
同じように下に行くに従い円の大きさを小さくしていき、上部と同様にやがては頂点で「一点に収束」しています。
ブラウザ上で切り替えを行ったとき、片方は「開いた線形状」の集合体、片方は「閉じた線形状」の集合体になっています。
なおかつ、「閉じた線形状」の集合体では必ずその両端が一点に収束しています。
そうです。Shadeでスカルププリムを作成するときには必ずこのルールにのっとって作成することが大切なのです。
この教室の中で私は何度も「両端を一点に収束」と書いてきました。
その理由はここにあります。
では、一点に収束を忘れるとどうなるでしょう?
これは作ったシェイプ次第ですが、スカルプへの変換の際に勝手に閉じてくれる場合があります。
でも、これは運がいいとき。
悪ければ片方の端を勝手に一点に収束した形にしてしまいます。
こうなるともう、本来望んだ形とはまったく違った形になってしまいますね。
では、「閉じた線形状」の集合体と「閉じた線形状」の集合体の場合はどうでしょう?
こういったものを作るケースは結構多いと思います。
まずどんなものがあるか?
リングやブレスを想像してみてください。

某有名ブランドのリングを真似たものです。
「閉じた線形状」で断面図を描き、回転体にしています。
断面図も「閉じた線形状」なら回転体でできる円も「閉じた線形状」です。
こういったものは残念ながらスカルプ出力できません。一点に収束する部分が存在しないからです。
リング状のものをスカルプ出力すると、穴がふさがってしまうか、リングが切れた状態になります。
勝手に一点に収束する部分を作ってしまうのです。
実際にSLにアップしたものを見てみましょう。

2種類あるのは次回に説明するとして、穴がふさがっているのとリングが切れたものとがありますね。
「閉じた線形状」同士の組み合わせはこのような結果になります。
それに、エッジ部分が丸くなってしまっていることも、注意すべき点です。
もう一つ、「開いた線形状」同士の組み合わせはどうでしょう?
これは不思議と良い結果が得られます。
カーテンやヨットのセイルといった厚みのないものがこれに該当します。
試しに階段を作ってみましょう。

このように「開いた線形状」を使って階段を作ります。
作った図形はsolidの掃引体を使って自由曲面に変換してやります。


ブラウザ上で切り替え表示してみても両方が「開いた線形状」であることがわかります。
これもSLにアップしてみます。

エッジに物足りなさを感じますが、これでも何とか再現はしてくれます。
カーテンなどの曲線を描いたものに流用すると良いかもしれません。
最後に
3.そのままでは思った形にならない場合が多い。
という点です。
これについては次回、実際にアップする際に説明するとして、必要なツールがあることだけお話しましょう。
まず、出力されたスカルプテクスチャを編集するための、画像編集ソフトです。
フォトショまたはGIMPがいいでしょう。
「あんなわけのわからない画像をどうやって編集するの?^ ^;」
と、不安を覚えるかもしれません。
いやいや、たいしたことはしませんのでご安心をw
結論を言ってしまうと、単純に画像を回転させるだけです。
フォトショ、GIMPとしたのにはもう一つ理由があります。
ファイル形式の変換です。
SLではテクスチャなどにTARGA形式のファイルが使用されます。
ShadeのスカルプはWindowsの場合、BMP形式で出力されます。
このTARGA形式のファイル出力ができる画像編集ソフトという意味でフォトショとGIMPを上げました。
もう一つ用意するソフト。
スカルプの出力には定評のあるROKURO Proです。
ROKURO Proは出力された画像を読み込む機能があります。
実際にSLにアップする前に、シェイプの確認が出来ます。
ただ、ROKURO Proは今のところTARGA形式の画像ファイルを読み込むことしか出来ません。
(これについては作者本人から私のSNSで、BMP形式の読み込みに対応させる準備を進めているとアナウンスを頂いています。)
そのために、先ほどの画像編集ソフトが必要になります。
では、次回はこれらのソフトと連携してどうすればSLに適したシェイプがアップできるのかお話していきましょう。
今回を含めあと2回となりましたShade教室です。
いよいよ次回から実際にSLにアップしていきますが、
その前に、今回はスカルプの概要とShadeから出力されるスカルプについて解説したいと思います。
このシリーズを読んだ人の中で、もうすでに自分で作ったシェイプをSLにアップして
「使えねぇorz...」
なんて感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
はっきり言います。
Shadeから出力されるスカルプは、<そのままでは>使い物になる代物ではありません。
ただし、作成上のルールや、ちょっとした工夫によって、十分商品として対応しうるスカルプを作ることが出来ます。
Shadeでスカルプを作成する際、認識しておかなければならないことは以下の3点です。
1.エッジをきかせたシェイプの出力は苦手。
作成するなら、エッジをそれほど意識しないシェイプにすること。
2.スカルプの性質上、作成上にルールがある。
3.そのままでは思った形にならない場合が多い。
出力されたスカルプテクスチャに対し、若干の修正が必要。
一つ一つ、解説していきましょう。
1.エッジのきいたシェイプについて。
エッジのきいたシェイプとは角がはっきりしたもののことをいいます。
こういったシェイプのスカルプ出力は、Shadeは苦手です。
これはもう、残念なことにShadeのバージョンアップに期待するしかありません。
ひとつ、対応策があるとすれば、アンカーポイントを増やすことぐらいでしょうか。
エッジを立てたい箇所のまわりにアンカーポイントを追加してやります。
このあたりの増やし方は、実際にアップしながら確認するしかありません。
2.作成上のルール
スカルププリムはもともとの形は球体をしています。
実はこのことが大変重要なのです。
第1回の教室で、私はshadeのシェイプを地球儀になぞらえて説明しました。
最初の頃はおそらく皆さん「?????」だったでしょう。

図を見てください。
Shadeで作った球体です。
ここまでShade教室を読んできた皆さんならどこが「開いた線形状」でどこが「閉じた線形状」なのか、おわかりいただけるのではないでしょうか。


「開いた線形状」は上下に走る円弧、「閉じた線形状」は球体を輪切りにした円ですよね?
「閉じた線形状」は上に行くに従い円の大きさを小さくしていき、やがては頂点で「一点に収束」します。
同じように下に行くに従い円の大きさを小さくしていき、上部と同様にやがては頂点で「一点に収束」しています。
ブラウザ上で切り替えを行ったとき、片方は「開いた線形状」の集合体、片方は「閉じた線形状」の集合体になっています。
なおかつ、「閉じた線形状」の集合体では必ずその両端が一点に収束しています。
そうです。Shadeでスカルププリムを作成するときには必ずこのルールにのっとって作成することが大切なのです。
この教室の中で私は何度も「両端を一点に収束」と書いてきました。
その理由はここにあります。
では、一点に収束を忘れるとどうなるでしょう?
これは作ったシェイプ次第ですが、スカルプへの変換の際に勝手に閉じてくれる場合があります。
でも、これは運がいいとき。
悪ければ片方の端を勝手に一点に収束した形にしてしまいます。
こうなるともう、本来望んだ形とはまったく違った形になってしまいますね。
では、「閉じた線形状」の集合体と「閉じた線形状」の集合体の場合はどうでしょう?
こういったものを作るケースは結構多いと思います。
まずどんなものがあるか?
リングやブレスを想像してみてください。

某有名ブランドのリングを真似たものです。
「閉じた線形状」で断面図を描き、回転体にしています。
断面図も「閉じた線形状」なら回転体でできる円も「閉じた線形状」です。
こういったものは残念ながらスカルプ出力できません。一点に収束する部分が存在しないからです。
リング状のものをスカルプ出力すると、穴がふさがってしまうか、リングが切れた状態になります。
勝手に一点に収束する部分を作ってしまうのです。
実際にSLにアップしたものを見てみましょう。

2種類あるのは次回に説明するとして、穴がふさがっているのとリングが切れたものとがありますね。
「閉じた線形状」同士の組み合わせはこのような結果になります。
それに、エッジ部分が丸くなってしまっていることも、注意すべき点です。
もう一つ、「開いた線形状」同士の組み合わせはどうでしょう?
これは不思議と良い結果が得られます。
カーテンやヨットのセイルといった厚みのないものがこれに該当します。
試しに階段を作ってみましょう。

このように「開いた線形状」を使って階段を作ります。
作った図形はsolidの掃引体を使って自由曲面に変換してやります。


ブラウザ上で切り替え表示してみても両方が「開いた線形状」であることがわかります。
これもSLにアップしてみます。

エッジに物足りなさを感じますが、これでも何とか再現はしてくれます。
カーテンなどの曲線を描いたものに流用すると良いかもしれません。
最後に
3.そのままでは思った形にならない場合が多い。
という点です。
これについては次回、実際にアップする際に説明するとして、必要なツールがあることだけお話しましょう。
まず、出力されたスカルプテクスチャを編集するための、画像編集ソフトです。
フォトショまたはGIMPがいいでしょう。
「あんなわけのわからない画像をどうやって編集するの?^ ^;」
と、不安を覚えるかもしれません。
いやいや、たいしたことはしませんのでご安心をw
結論を言ってしまうと、単純に画像を回転させるだけです。
フォトショ、GIMPとしたのにはもう一つ理由があります。
ファイル形式の変換です。
SLではテクスチャなどにTARGA形式のファイルが使用されます。
ShadeのスカルプはWindowsの場合、BMP形式で出力されます。
このTARGA形式のファイル出力ができる画像編集ソフトという意味でフォトショとGIMPを上げました。
もう一つ用意するソフト。
スカルプの出力には定評のあるROKURO Proです。
ROKURO Proは出力された画像を読み込む機能があります。
実際にSLにアップする前に、シェイプの確認が出来ます。
ただ、ROKURO Proは今のところTARGA形式の画像ファイルを読み込むことしか出来ません。
(これについては作者本人から私のSNSで、BMP形式の読み込みに対応させる準備を進めているとアナウンスを頂いています。)
そのために、先ほどの画像編集ソフトが必要になります。
では、次回はこれらのソフトと連携してどうすればSLに適したシェイプがアップできるのかお話していきましょう。